2015年9月15日(火)大仏殿の裏を鹿と歩く

転害門奈良国立博物館のあと、奈良公園から東大寺に回った。もう夕刻だが、南大門近辺には、名物の鹿目あての観光客と、鹿せんべい目当ての鹿がたくさん集まっている。いつもながらの平和な光景だ。
このところ国宝に凝っている私は、●南大門、●阿吽の金剛力士立像(阿形は修復中)、●大仏殿、●盧舎那仏、●大仏蓮弁線刻画(レプリカ)、●八角灯篭、●鐘楼、●梵鐘、●三月堂(法華堂)、●二月堂と、境内を順調に回っているうちに、かなり暗くなってしまった。これからでは正倉院に回っても外構は見せていただけないので、●転害門を最後にすることにした。《●は国宝》
寺の北門にあたる転害門には、観光客の姿はなく、鹿だけがくつろいでいる。疲れた足をひきずる私の周りも鹿だらけ。お互いに悪さをしないので、一緒に歩いてきたが、そのうち、鹿の群れのなかで動きがとれず立ち往生している一台の車にであった。気の毒だが、私にはどうすることもできない。何しろこの鹿たちは、神代の時代に茨城県の鹿島神宮から大神さまを背中に載せて、この地に降臨した神鹿の子孫なのである。苦笑しているドライバーに、お気をつけてと声をかけ、しばらく行ってから振り返ると、車の姿はなかった。無事にあの群れを通り抜けたのだろう。夕闇のなか、鹿たちの目がキラリと光った。

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