2015年8月15日(土)終戦70年、正午に玉音放送を聞く

今年も終戦記念日は暑かった。夫の兄が祀られているので、靖国神社には毎年参拝する。いつも早朝なので、街宣車の姿もなく参拝者の数も少なく、静かに頭をさげられる。千鳥ヶ淵戦没者墓苑では、どこかの慰霊祭が準備中だったが、その脇でそっと手を合わせた。北の丸公園の武道館では、政府主催の「全国戦没者追悼式」が行われるが、招待されていない身では、正午に黙とうを捧げるしかない。昭和館でおこなわれている昭和20年の写真展を見てから、九段会館(旧軍人会館)の前をとおり、最後に訪れたのは国立公文書館だ。靖国神社からここまで、北の丸公園の外周をほぼ半周したことになる。
入館するとすぐに、昭和天皇の声が聞こえた。大東亜戦争終結に関する詔書(終戦の詔書)を読まれる天皇の声、いわゆる玉音放送がエンドレスで流れているのだ。公文書館では8月29日まで、企画展『昭和20年―戦後70年の原点』として、開戦のときの「宣戦の詔書」から、鈴木貫太郎内閣の成立、「終戦の詔書」、降伏文書の調印、「人間宣言」まで、歴史的資料を展示している。いつもよりずっと来館者の数も多く、みな熱心に展示物を見、説明文を読んでいる。とくに8月10日~15日は、「終戦の詔書」の原本が展示されており、まもなく8月15日正午を迎える時に70年の時を越えて、「詔書」の原本を前に玉音放送を聞くことに、言いようもない感動を覚えた。

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