2015年8月11日(火)友あり遠方より来たる

中国の大学で日本思想史、中日思想文化交流史の教授をしているR氏は、夫と私が一番信頼を寄せる友人の一人である。氏は来日されると毎回、夫の墓前に額づいてくれる。今回も暑いさなか、霊園をたずねてくれた。霊園の周りはナシ畑で、今は梨の最盛期。知り合いの梨農家の庭で、もぎたての梨をほおばりながら、氏は以前から私がわずかな資金的援助をしている大きな仕事の進展具合を話してくれた。神道の原典を中国語に訳し注釈をするという、私がどんなに頑張ってもできない数年がかりの難しい仕事だ。そういう事を安心して任せられるのも、氏の誠実な人柄と有能さゆえである。梨畑のうえに広がる真っ青な空に、白すぎるほどの雲がゆったりと流れていった。

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