昨年から毎月一度、友人たちと連れ立って、あちこちの神社の鎮守の杜を歩いている。グループにはいちおう「鎮守の杜見守り隊」というけっこうな名前がついているのだが、ほんとに見守っているのは数人で、あとの大多数は、フィトンチッドをあびつつ、勝手なおしゃべりをしながら歩いているだけなのだが、それがとても楽しい。
先日のさつき晴れの日に、9人で世田谷区の神社を6社、見守ってきた。
アジサイが咲き始めた緑道を気持ちよく歩いていると、庭の木々に手を入れているご夫婦にであった。
「〇〇神社はあそこですか」と聞くと、そうだという。「あそこの神社は縁起がよくて、宝くじなんかよく当たるんだよ」とも。
お二人の足元には、切ったばかりのビワの木。小さいけれど実がたわわについている。
「わあ、ビワ、すごいですね!」「持っていくかい」「え、いいんですかあ」
遠慮するフリをしながら、うれしくお言葉に甘えた。縁起のよい神社で、宝くじならぬ、気前のよいご夫婦に当たった。
ビワを抱えてルンルンで帰宅すると、隣のご主人が庭のモッコクの剪定をしていた。
「枝を少しいただいていいですか」「好きなだけどうぞ」お礼にビワのひと枝をさしあげた。
どうですか、この日の収穫。モッコクとビワに囲まれて幸せな私。きっと日ごろの行いがいいんですね。