拾う神もいますように

 正月には初詣。そんな子どものころからの強迫観念に背中を押されて、家を出た。

 まずは地元の神社にごあいさつ、と思ったら、なんという人の波!こんなに氏子が多いのなら、お祭りの時なんかもっと協力してくれてよさそうなものなのに、と思わずグチもでてしまう。しょうがないから脇のほうからご神前に、また来ますのでと頭をさげ、電車に乗って御茶ノ水駅に向かった。今年は思うことがあり、力のありそうな(と勝手に信じている)神田神社に行きたかったのだ。

 だが、ここも道いっぱいに参拝者の長い長い行列。警官まで出て整理している。神様、あなたにすがりたい人がこんなに多いのですよ。でもどうしよう、私もすがりたいのに、ご神前に近づくことなんかできやない。

 なに、表があれば裏もあるさ。神社をグルッと回って裏参道に行ってみると、やったね!あまり知られていない裏参道には並ぶ人もいない。正月名物の猿まわしを見る人もさっぱり。喜んだのも束の間、境内は参拝者であふれていて、ご神前などはるか遠くに見えるだけ。すみません神様、出直します。

 近くの湯島天満宮など、鳥居までも近づけない。仕方ないから通りにでると、大勢の老若男女がぞろぞろと歩いていく。コンサートか何かあるのだろうか、興味半分でついていくと、ガードマンが「湯島天神参拝者最後列」的なプラカードを持って立っていた。なんと、天満宮に参拝したい人がここまで並んでいたのだった。もうすぐ試験のシーズンだもの、神様、あなたも大変ですね。

 でも肝心な自分のことをまだ頼んでいない。妻恋神社は参拝者はすくないけれど、色っぽいこと頼むわけじゃなし、そうだ、湯島聖堂に行こう。あそこは孔子様を祀っている。国籍は違えど学問の神様だし…。

 湯島の聖堂は思ったとおり、参拝者も少なかった。これならきっと神様も私のこと覚えてくれて、頼みも少しは聴いてくれるかも。それにしても初詣でのハシゴは疲れる…

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