9月17日(土)から10月16日(日)まで、国立公文書館では、秋の特別展として「時代を超えて輝く女性たち」を開催している(写真1)。開催前日の9月16日、友の会会員のための内覧会が開かれたので、参加してきた。
13時30分、一人ずつに音声ガイドが手渡され、内覧会開始。公文書館から事前に送られた解説書を読んではいたのだが、実際の文書を見せられると、納得度の度合いが違う。
最初の展示は、史上名高い、津田梅子ら5人の女子留学生の米国派遣が決定した明治四年の文書であり、重要文化財に指定されていた(写真2)。
さらに驚いたのは、大山巌が山川捨松との結婚のために、明治16年に太政大臣三條實美に提出した結婚願で、これも重要文化財であった(写真3)。勅任官の結婚の際には勅許を得ることが必要だったそうだが、結婚願が重要文化財ということに驚いたのである。
展示されたさまざまな公文書には、学校時代に歴史の時間で学んだ人々の名前やら、実際に顔を見たことのある人の名前が散在していて、ただ感心して眺めいるのみ。
内覧会に参集した多くの年配の人々も熱心に見入っていた。
私が社会に出たとき、男性と女性との差別は厳然としてあった。女性は男性に従わなければならない不条理を、世間が感じはじめた時代だった。
それに先んじて女性の自立と地位向上に努力した多くの先駆者のおかげで、我々はいま、こうしていられる。今回紹介された女性たちをはじめとする先駆者に敬意を表するとともに、これらの重要な公文書を世に示された国立公文書館に感謝したい。