8月15日(月) 71回目の終戦記念日

 戦後71年目の終戦記念日の今日、例年どおり、朝、靖國神社に参拝に行った。

 英霊として夫の兄が祀られている。子供だった夫は母とともに、出征するその兄を見送ったそうだ。私は会ったこともなく、どんな人なのか聞いたこともない。だが戦後40年ほど経ったとき、夫はどこかからその兄が靖国に祀られていることを聞きつけてきた。それ以後、毎年、私たちは参拝に行き、夫が他界してからは私ひ警備とりで参拝を続けている。

  飯田橋駅から歩いていくと、まだ朝8時にもならないのに、大鳥居の前は、参拝に来た人々をさえぎるかのように、警備にあたる人たちとマスコミの人たちでごった返していた。胸にSPのバッチをつけた人たちが、目を光らせている。街宣車が通りを走る。毎年おなじみの光景だ。

半旗

神門も半旗を掲げて

 手水をつかって神門をくぐる。ご神前はすでに何重もの人の列だ。今日の暑さはさいわい、どうにかしのげる程度だ。順番を待って拝礼した。

 目と鼻のさきにある日本武道館では、まもなく政府主催の「全国戦没者追悼式」が行われる。そこから堀ひとつ隔てた千鳥ケ淵戦没者墓苑には、第二次世界大戦の戦没者の遺骨のうち遺族に引き渡すことができなかった遺骨が安置されているが、そこでも慰霊祭が開かれる。みなそれぞれに戦没者の霊を慰め平和を祈る。いいではないか、それで。

 境内を寅さん歩いていると人だかりがして、寅さん、寅さんという声がする。確かにうしろ姿はあの葛飾柴又の車寅次郎だ。写真を撮って、と駆け寄る人々。ああ、平和だなあ、日本は。 

 寅さんも 参拝にくる 九段坂