『日本儒学と思想史研究――王家驊先生記念特集』を出版

img_0001『日本儒学与思想史研究――王家驊先生紀念専輯』

劉岳兵主編、天津人民出版社、2016年9月発行〔中国語〕

本書は「南開大学梅田善美日本文化研究基金」の援助を受けて出版されたもので、2015年7月4日に開かれたシンポジウム「文明の対話と比較:日中儒学を中心として」の諸論稿を基にした。当時、『中日文化の対話と伝統――儒学を中心として』と仮称していたが、南開大学日本思想文化研究の開拓者である王家驊先生を記念するために、その主な研究分野である日本儒学と日本思想史における知的遺産と学術伝統を伝承し、発揚しようという意味をこめて、現書名に変更された。本書の前書き「編集者の話」に、本書出版の経緯が詳しく述べられている。

内容は「追思と継承」(7篇)・「文明対話と文化比較」(5篇)・「日本儒学と思想史研究」(12篇)・「王家驊先生の著作『中日儒学の比較』に対する日本学者の評論」(4篇)・「附録」(「王家驊先生年譜簡編」「王家驊先生主要著述目録」)で構成され、特に王家驊先生が敬慕された鹿野政直氏による「王家驊先生を追慕する」と「家永三郎の学問と歴史認識」が掲載されている。

その他、王家驊先生と直接、学術的交流が行われていた代表的な日本思想史研究者である平石直昭、辻本雅史、桂島宣弘、陶徳民の四氏による論文や文章、また台湾大学の徐慶興氏、王家驊先生の同輩学者の王守華氏、王家驊先生の教え子と孫弟子として現中国における日本研究の分野で活躍される諸氏の論文、文章も収録されている。日本の学者溝口雄三、源了円諸氏による王家驊先生の『日中儒学の比較』に対する評論が掲載されており、今後の中国における日本儒学研究に貴重な意見と参考になるものと期する。(万麗莉)