名古屋城(愛知県名古屋市)

名古屋城、いいなあ。高石垣の上にそびえる天守。その屋根の上には名古屋名物の金のシャチ(鯱)、火災の時は口から水を出して建物を守るといわれる霊魚だが、広げた尾のうえにカラスを留まらせているおおらかさ。

戦災で焼けてしまって、今の天守はコンクリート建てだし、シャチだって復元されたものだというが、美しけりゃいいじゃないか。「尾張名古屋は城でも」っているのだもの。

江戸幕府を開いた徳川家康の、最大の敵は大坂城に陣取る豊臣勢。家康は、それに対する備えとして、1610年(慶長15年)にこの城を築城した。西国諸大名による天下普請だ。本丸の北西隅にそびえる高さ55.6メートルの天守を支える石垣はもちろん加藤清正の担当だ。最大級の規模を誇ったこの城は、徳川御三家の一つ尾張徳川家の居城として、明治まで利用されていた。

いくつか残存していた城内の建物も、1945年の大空襲により、焼失。戦後になって、地元の人々の熱意により、天守が復元された。なかでも、大天守に上げられた金のシャチ(金鯱)は、名古屋の人々のシンボルになっている。

かつては将軍の上洛の際に使用した本丸御殿も、戦災で焼失の憂き目にあった。しかし、現在は復元計画が実施され、すでに目にも艶やかな一部が一般公開されているほか、平成30年には全体公開が予定されている。

いっぽう、鉄筋コンクリート製の天守閣はといえば、耐震性や老朽化が問題となり、現在は、木造による再建も検討されているという。

復元工事が進む本丸御殿

木造の天守をもつ名古屋城か、いいなあ、早く見てみたい。