江戸城 ー 内濠に沿って歩く

    夏の一日、千鳥ヶ淵から皇居前広場まで、反時計回りに江戸城、いまの皇居の外側を半周した。まず、半蔵濠に沿って千鳥ヶ淵公園を行く。足下には、幅広くて深そうな半蔵濠、その向こうは皇居の吹上。 

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半蔵濠と半蔵門

  しばらく行くと江戸城への入り口のひとつ、半蔵門が見えてくる。なかなか警備が厳しそうだ。それもそのはず、天皇陛下及び内廷皇族の皇居への出入りはここ半蔵門であるからだ。一般人がここを通ることはない。

 半蔵門を過ぎて、皇居一周ランニングの人たちに追い抜かれながらさらに歩くと、外桜田門が見えてくる。皇居のみどり濃い木々、水をたたえた深い濠、か

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ビルをバックに外桜田門

なたには丸の内の高いオフィスビルが林立していて、なかなかのビューポイントだ。外桜田門は、江戸時代末期に大老井伊直弼が暗殺された、歴史上有名な「桜田門外の変」の舞台である。

 一般に桜田門とよばれる外桜田門は、西の丸警護のために建てられた大きくて立派な桝形門だ。見逃してはもったいない。そこを通って皇居前広場に出る。

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坂下門、青い屋根は宮内庁

 名高い二重橋は、皇居の正門である。橋越しに伏見櫓と多門櫓が見える。ここは外国の観光客も多く、なかには勝手に柵をこえて記念写真か何か撮ろうとする人たちもいて、警備の人もうかうかしていられない。いつもピーピーと警笛が鳴っている。

 車の往来がある坂下門は、宮内庁への出入口となっている。蛤濠にかかる桔梗門(内桜田門)は、皇居参観者や勤労奉仕者なと特別の許可を得た人たちの出入り口だ。

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巽櫓と桔梗門

 濠の角に立つ櫓は、桜田巽櫓。ここから後ろを振り返ると、遠く、緑の中の高い石垣の上にたつ富士見櫓の屋根が見える。江戸城のなかで現存する櫓は、伏見櫓、富士見櫓、桜田巽櫓の三つだが、どれも往時の面影を残していて美しい。