先日のうだりそうな暑さの日、少しでも日陰がほしくて小川沿いの遊歩道を歩いていたら、3人連れの母娘をみつけた。親水公園に入って何かを探しているようす。帽子をかぶり、アミを持って、足まで水につけて、いかにも夏。楽しそうだ。
「なに、とってるの」と聞くと「ザリガニ」と元気な声。「もう3匹もとったよ」と自慢げにアミを突き出して見せてくれた。なんだか赤黒いものがゴソゴソ動いている。
「すご~いねえ、おばちゃんも採りたいな」「やったことあるの」「子どものときね、もう今はダメだけど」といったら、あれなら大丈夫だよ、と指さしてくれた。
その岩をよく見ると、ほんとに何かいる! カニだ! 岩に彫られた、今にも動き出しそうなカニをそっと触ってみた。「われ汗まみれでカニとたわむる」だな。
「じゃあねえ、がんばってねえ~」「うん、あと2匹はとるんだ」
そばで母親がありがとうございます、と頭を下げていた。いい光景だった。